「相続」というのは正直いつやって来るかは分かりません。病気だけでなく「事故」や「災難」等突然の場合も全く無いとは言い切れません。
親族の不幸は悲しいものですが、一方で「相続」という事象はお構いなく進めていかなくてはならないものでもあります。
まず一番厄介なのが、亡くなった方の預金口座の凍結です。
金融機関は口座の所有者が亡くなった場合、まず法定相続人のどなたかが既定の手続きをしないと口座のお金を安易に引き出す等の処理が出来なくなります。
本人確認や被相続人との関係等の確認事項はだいたい共通していますが、金融機関それぞれに手続きの方法が微妙に違ってきます。従って「安全のため」金融機関を分散されて口座を持っている方が亡くなると、これは結構面倒な作業となります。
(年金生活に入られた方は金融機関口座をある程度「断捨離」する事をお勧めします!)
具体的な手続きというと、まず「戸籍謄本」を辿って行くという作業が必ず発生してきますので、「あらかじめ」親族の生まれてからの生い立ちや兄弟姉妹関係等の情報はある程度おさえておく必要があります。
私も約1年前に母を亡くしましたが、母は結婚する前の話を一切しなかったため、この戸籍を辿る作業は結構苦労しました。結局母は生まれた時に父に認知されず「子」としての戸籍を持てずに結婚直前に母方の親族に養子となって結婚したことが死去した後の戸籍調査で初めて分かりました。(だから話したくなかったのですね。)
最終的に戸籍謄本を得るために3か所の役所をめぐる事になり、一カ所は京都にあったため役所に電話して郵送していただく手続きもしました。
またどんな金融機関にどれくらいの金額が入っているかを「あらかじめ」把握しておく事で、相続税手続きの時に慌てなくて済みました。
「不謹慎」と思われるかもしれませんが、やはり「あらかじめ」何らかの情報はきちんと把握しておく事が必要ですし、自分がいずれ「被相続人」に必ずなりますので、そういった整理は常日頃からやっておくことも残された遺族に対する心配りとなりますね。これは健康な人でも是非やっておいて損はないと思います。