前回、税制改正で基礎控除額が上がり、給与所得控除が下がるお話を書きました。
この「給与所得控除の引下げ」に併せて、給与所得者の「特定支出控除の範囲の拡充」が図られる事になりました。
この「特定支出控除」は通勤、転居、帰宅旅費等での通常必要と思われる費用ですが、これについて控除の対象が増える事になります。
今回の拡充は次の2点であり
①職務の遂行に直接必要な旅費等で通常必要と認められるもの
②帰宅旅費について1カ月当たりの行使制限の撤廃、自動車での帰宅の際の燃料費、有料道路料金も対象に含める
という事です。(ちなみに今までは1カ月あたりの帰宅旅費往復回数は「4回まで」と制限されていました。)
単身赴任者にとっては②が朗報と思われますが、「給与の支払者により証明された一定のもの」とされていますので、勤め先の会社の了解が必要です。少なくとも「自分の権利」としてしっかり覚えておいていただき、会社側への手続き、所得税の確定申告の際に申請を忘れないようにしておけば多少なりとも還付を受けられる事になります。
単身赴任で自腹での帰宅回数が多い方にとっては若干の負担削減になりますが、申請を忘れたら折角の権利も喪失してしまいますのでご注意下さい。
これも平成32年度所得税確定申告から有効ですので、今年の分は従来通りですのでお間違えの無いように!